乾燥肌は血行不良によって肌代謝が低下することで引き起こされることがあります。
ストレスや血行不良からくる肌の乾燥には、毎日の入浴を少し工夫することで改善していくことができます。
そこで今回は乾燥肌や肌荒れに効く入浴法をご紹介します。
美容面における入浴のメリット
入浴は皮脂汚れや古い角質を落とす
お風呂に入ることが面倒だとして、たまにしか入浴しない人も多いといいますが、それでは皮膚の新陳代謝が悪化してしまいます。
お風呂に入らなければ古い角質がたまったり毛穴に汚れがたまったりして、それが皮膚の炎症をもたらして皮膚がガサガサしてくることがあります。赤みを帯びることもあります。
身体を清潔にしていないと脂漏性皮膚炎やマラセチア毛包炎などの真菌(カビ)が原因の皮膚病を引き起こすことも良くあります。
例えば、怪我や病気でお風呂に入らない日が続くと、脂漏性皮膚炎を起こすことはよくあります。肌荒れを起こさないためにも基本的に毎日お風呂に入るべきです。
入浴で血流やリンパの流れが良くなる
入浴によって血行が促進することで新陳代謝が高くなり、それによって乾燥肌の改善が期待できます。
毛細血管は全身のすみずみに網目状に張り巡らされていますが、安静時ではその血液を末梢まで活発に届けることは難しいとされます。
そこで、入浴によって身体は温めることで毛細血管が拡張し血流がよくなり、全身の毛細血管のすみずみまで血行を促すことができるとされます。
細胞は酸素と栄養がなければ生きていけないため、一日のうちに血流を高められるような入浴や運動を積極的に行うことで、若々しい身体を維持できるはずです。入浴によって血流がよくなれば乾燥肌や肌荒れの改善にもつながります。
肌の潤いのほとんどはセラミドを中心とした細胞間脂質が担っていますが、セラミドなどは皮膚のターンオーバーによって作り出されます。(セラミドは皮脂のように分泌されるのではありません)。
そのため、血行を促して皮膚のターンオーバーを正常にしてあげることが乾燥肌の改善につながるのです。
お風呂はストレス解消につながる
入浴の長所は、身体の緊張をほぐしてリラクゼーション効果やストレス解消効果などもあるところです。身体が温まることで神経や筋肉の緊張がほぐれてストレス解消になります。
乾燥肌や肌荒れはストレスによって悪化することがありますが、入浴によって少しでも気が穏やかになってストレス解消につながれば、肌の水分量がアップするはずです。
また、バスタイムのリラクゼーション効果によって副交感神経が活発になり、就寝時の寝つきも一段と良くなります。
ストレスを感じやすい人ほど自律神経が乱れていますので、その場合は毎日ゆっくり肩までお風呂につかって安心してリラックスできる時間をつくるようにしましょう。
入浴で寝つきが良くなり、睡眠の質が高くなる
就寝前の2~3時間に入浴をすると深い睡眠が得られるようになります。これは、お風呂によって急激に体温が上がり、入浴後はその反動で急激に体温が下がっていくことで睡眠を促すことができるためです。
これによって熟睡できれば新陳代謝がアップし、乾燥肌や肌荒れの改善につながります。
深い睡眠と体温は密接に関係しており、夜になると気温が下がるように体温も同じように下がらなければ休息モードに切り替わらずに熟睡できなくなります。
反対に深い睡眠を得るには、1日のうち1~2回は運動や入浴などによって体温を上げる必要があるということです。
美肌に良い入浴のポイント
リンパマッサージによってリンパの流れを促す
単に入浴するだけではなく、簡単なリンパマッサージを行うことでさらに肌の新陳代謝を高めることができます。
リンパとは、異物や老廃物の処理や余分な水分などを排出する役割がある器官で全身に張りめぐらされています。
バスタイムは、お風呂の水圧によって皮膚が圧力を受け、リンパの流れが活発になります。そして、さらにリンパをさすってマッサージすることで老廃物の排出を促し、代謝を高めることで乾燥肌の改善に導きます。
リンパは末梢から中央に向かって流れていますので、基本的に手首から腕の付け根、足首から足の付け根といったように遠くから中央に向かってさするようにしましょう。強い力でさすってはいけません。
リンパマッサージは、血行が良くなって体温が上がり、新陳代謝が高まるバスタイムに行うのが最も効果的です。
ポジティブなイメージをもつ
バスタイムは、筋肉や神経の緊張がほぐれて開放的になり、一日の疲れやストレスが解消される時間帯です。この時間帯には、くよくよ悩むことは考えず明るく前向きなことを考えるようにしましょう。
また、入浴時に「美容にとって良いことをしている」というポジティブなイメージをもつことも重要です。
せっかくの新陳代謝が高まる時に、ネガティブな意識をもつのは合理的ではありません。ポジティブに考えることで寝つきが良くなり、肌の潤いも高くなって乾燥肌も改善されていくはずです。
半身浴は意味がない?
半身浴は、もともと心臓疾患がある人に対して行われていた入浴法です。心臓への負担がかかりにくいため、長時間の入浴法として半身浴が良いとされていますが、特に心臓に疾患がない人では半身浴にこだわる必要はありません。
そして、半身浴では上半身の水圧がかからないため、十分に血液やリンパの流れを促すこともできません。
36~38度くらいの熱すぎない温度で肩までゆっくりとつかり、水圧によってリンパの流れを促してあげる入浴が乾燥肌にとって最も適しています。
就寝前に入浴する場合は、入浴後にしっかりと身体を冷やす
就寝前に入浴する場合は、入浴後にしっかりと身体を冷やすと寝つきがよくなります。入浴後に体温が上がったままだと寝つきや睡眠の質が悪化して疲れがとれにくくなることがあります。
そこで、入浴後にゆるやかに体温を下げてあげることで、眠りを促すスイッチが入って寝つきが良くなり、深い睡眠を得られるようになります。
夏場は、扇風機やエアコンなどで入浴後の身体の熱をとってあげましょう。また、入浴は就寝する1時間前までに済ませましょう。しっかりと熟睡することで肌のターンオーバーが整い、乾燥肌や肌荒れも改善に向かうはずです。
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