【画像】スギとヒノキの違い。見た目、植林面積、花粉の大きさ、飛散時期の違いについて

スギやヒノキの画像 2月ごろから4月ごろにかけて症状が現れる花粉症。

その時期はスギ花粉やヒノキ花粉が空気中に大量に飛散することで、鼻のムズムズや目のかゆみなどを引き起こしやすくなります。

日本ではとても多くの人が花粉症に悩まされるといい、全人口の約20~25%くらいが花粉症だと推測されています。ここまで花粉症患者が増加した理由はスギやヒノキの植林活動です。

実は、スギやヒノキは将来的な建築材料の目的で、ほとんどが植林(人工林)によって増加してきた経緯があるのです。そして、現在ではそれが花粉症患者の増加を引き起こす皮肉な原因となっています。

花粉症を軽減するには植林地域には近寄らないのが一番ですが、実は地域によってスギの植林が多い地域と、ヒノキの植林が多い地域があったりします。

多くはスギの木を中心として植林されていることが多いのですが、ヒノキばかりが重点的に植林されているような地域もあるのです。

例えば、長崎県ではヒノキの植林面積がスギの約2倍あるとされ、特に雲仙市はヒノキだらけです。全国的にいえば、そういった地域は少なくないです。

スギとヒノキは、ともに針葉樹の一つで、とても似たような形をしているのですが、それぞれの花粉による症状の強さや飛散時期に違いがあるので、しっかりとその2つの植林地帯の違いを見極めたいところです。

そこで今回は、写真をもとにスギとヒノキの違い、または植林規模、飛散時期、花粉の大きさの違いなどを詳しくまとめてみました。

スギとヒノキの違いを写真で比較!

杉と檜の表面(木肌)の画像

スギとヒノキの木肌(表面)の画像

スギとヒノキのどちらにおいても、木の表面は縦状にヒビが入っていて、木肌が剥がれかかっているような状態で立っています。普通の木よりも荒々しい印象がありますね。

そして、スギの木の場合は、木肌のはがれ方がキメ細かい印象があります。一方、ヒノキの場合は表面の剥げ具合が激しいです。ヒノキの方がペロッとめくれやすい状態です。

何度も見ている人ならば木肌だけを見て違いがわかるものですが、見慣れてない人は木の表面だけを見てスギかヒノキかを見分けるのは難しかもしれません。

スギの木の葉の画像

スギとヒノキの違いを見分けるには、葉っぱを確認するのが一番わかりやすいです。まずはスギの葉の写真からです。

スギの葉の画像

スギの葉の見た目は棒状で、先端は針のように尖っています。実際に触れてみると、チクチクした鋭い痛みを感じるくらいに葉先がしっかりとしています。全体的にガッシリとしているので握ってみると、硬さを感じることができます。

なお、画像の中央にある茶色の丸いものが花粉をだすつぼみです。

ヒノキの葉の画像

次はヒノキの葉の画像を見ていきます。

ヒノキの葉の画像

ヒノキの葉は、スギの葉と比べればずいぶんと丸みがかった葉っぱをしています。スギのように尖った形状ではないです。握ってみると、雑草のようにとても柔らかい印象があります。

スギの葉とヒノキの葉を画像比較

スギとヒノキの葉の画像をつなげると、その違いがわかりやすいと思います。

スギの葉とヒノキの葉の違いの画像

葉が針のように尖ったのがスギ、葉が丸いのがヒノキと覚えておいて下さい。

わからない場合は落ち葉を見てみよう

スギやヒノキの多くは植林として増加してきた歴史があります。そういった植林スギやヒノキは、木の成長を良くするために枝を切り落としてあることが多いです。

そのため、葉っぱが高い位置にあって、この木はスギなのか?ヒノキなのか?確認できないときもあると思います。

そんな時は、落ち葉を調べてみましょう。以下はスギの落ち葉とヒノキの落ち葉を比較した画像です。

スギとヒノキの落ち葉の画像

スギの落ち葉は、枯れて茶色に変色した状態で落ちていることが多いです。色は緑色から茶色に変わっていますが、形としては大きな変化はなく、形状を保ったままの状態で落ちています。葉先も針のようにとがったままです。

こういった形の葉が木の下に落ちていたら、すぐにスギの木だとわかるはずです。

一方、ヒノキの落ち葉というと、原型を留めているケースもありますが、ほとんどが木くずのように粉々になって細かくバラバラになった状態で落ちていることが多いです。

ヒノキの葉は強度が弱くて柔らかいので、落ちてしまえばすぐに形が崩れてしまうためです。スギの落ち葉のように、しっかりとした形状をしていないことがほとんどです。

スギとヒノキが近くに植えられていることが多い

なお、植林地域には、スギとヒノキが近くに植えられていることもよくあります。その場合は、落ち葉を調べてみてもスギの葉とヒノキの葉が混ざっていて、どちらの木か判別できないこともあるかもしれません。

スギとヒノキの植林規模や飛散時期の違い

日本に存在するスギやヒノキのほとんどは植林されたものです。(人工林)。そして、スギとヒノキには植林面積に違いがあります。

2002年のデータによると、日本全体のスギとヒノキの植林面積は、スギが452万ヘクタール(森林面積の18%・人工林面積の44%)、ヒノキが257万ヘクタール(森林面積の10%・人工林面積の25%)あるとされています。

スギの木はヒノキの2倍もの数があり、影響力が強いので、一般に花粉症シーズンというと、スギ花粉が飛散する時期を中心に考えられていたりします。

ただし、スギ花粉にアレルギーをもつ人の約70~80%がヒノキ花粉対してもアレルギーをもっているといわれているので、ほとんどの人はヒノキ花粉シーズンにおいてもスギ花粉シーズンと同じように対策を行うべきです。

スギ花粉よりも少ないヒノキ花粉、でも症状が強い?

ティッシュで皮脂汚れを落とす画像 植林面積でいえば、ヒノキはスギの約2分の1の数しかないので、ヒノキ花粉シーズンというとスギ花粉シーズンほどではないように思えます。

ところが、このヒノキ花粉に対してスギ花粉よりも強い症状を引き起こす人はかなり多いです。

ヒノキ花粉のほうが鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった花粉症の症状が強く出るケースも多く、人によっては花粉症皮膚炎というヒリヒリ感、赤み、湿疹、かゆみといった、肌荒れの症状を起こすこともあります。

肌にはバリア機能があるので花粉症を起こしにくいのですが、重度の人はそれでも症状が現われてしまうようです。

地域別の花粉飛散時期

花粉の飛散時期は、地域によって違います。以下は地域別の飛散時期の目安です。

東北

スギ花粉飛散時期は2月下旬~4月下旬
ヒノキ花粉飛散時期は3月上旬~5月上旬

関東

スギ花粉飛散時期は2月中旬~4月下旬
ヒノキ花粉飛散時期は3月上旬~5月中旬

東海

スギ花粉飛散時期は2月中旬~4月上旬
ヒノキ花粉飛散時期は3月下旬~4月中旬

関西

スギ花粉飛散時期は2月中旬~4月上旬
ヒノキ花粉飛散時期は3月下旬~4月下旬

九州

スギ花粉飛散時期は2月上旬~3月下旬
ヒノキ花粉飛散時期は3月中旬~4月上旬

北海道、沖縄

北海道と沖縄は、スギやヒノキがかなり少ないので、飛散量はほとんどないとされます。実際にその2つの地域は花粉症患者が圧倒的に少ないとされます。

なお、林野庁によると、北海道と沖縄のスギ・ヒノキの植林規模は北海道が3万ヘクタール(森林面積の約0.6%)、沖縄は300ヘクタール(森林面積の約0.3%)となっています。

北海道の人工植林は道南(函館市があるところ)に集中していて、札幌や旭川、釧路などはほとんどスギやヒノキ花粉の影響は受けません。

花粉症が特に悪化しやすい時期

花粉症の人が特に悪化しやすい時期は、スギ花粉とヒノキ花粉の時期が重なる時期です。日本列島では3月下旬から4月上旬くらいです。

ヒノキ花粉が多く飛散するようになる頃はスギ花粉の飛散もまだまだ多いので、スギとヒノキを合わせた花粉の総量がとても多くなりますが、そういった時期に急激に症状が悪化する人が多くなります。

花粉の大きさの違い

スギ花粉とヒノキ花粉は、大きさや構造に若干の違いがあります。

スギ花粉とヒノキ花粉の形状の画像 スギ花粉の大きさは直径約30~40μm。パピラという小突起があり、見る方向により形が違うのが特徴です。

一方のヒノキ花粉は、大きさが直径約28~45μm。スギ花粉に比べて薄く染色され、透明感があります。

出典:福井県健康保険センター

花粉の飛びやすさの違い

花粉症の画像 花粉が飛びやすいかどうかは、スギでもヒノキでも大きな違いはないです。そして、どちらも比重が軽いので空気中に浮遊しやすいです。そのため、偏西風の影響を強く受けます。

偏西風の影響を受けることで、どの地域においても西側から花粉が大量に舞い込む傾向があります。

そのため、例えば九州の長崎などは他県からの花粉の影響を受けにくく、一方、東京都心はスギやヒノキはほとんどないのに花粉量が多いという現象が起こることもあります。まら、東京で花粉が多いのは湿度が低いことも影響します。

ただし、スギ花粉を大気汚染の原因となるPM2.5(微小粒子状物質)などと比較すると大気中に浮遊しにくいほうです。花粉は大きさが30μm程ですが、PM2.5は大きさが2.5μg以下で比重も軽いためです。

花粉の飛散開始は気温によって違いがある

スギ花粉が飛び始めるまでの日数は、12月、1月、2月の気温状況によって若干異なります。

例えば、1月の気温が高ければ早めに花粉が飛び始めますが、反対に1月の気温が低ければ飛散時期は少し遅くなります。

冬の気温状況によって花粉の飛び始める時期は最大で約1ヵ月くらい変化するとされています。

なお、日本列島でスギの花粉が最も早く飛び始めるのは、通常は日本の中でも冬の気温が高い九州と東海地方の一部となっています。

どんな日に花粉量が多くなる?

スギ花粉やヒノキ花粉は、天候によっても飛散量に違いがあります。例えば、以下のような気象条件になると、花粉が多く飛散するようになります。

  • 晴れ日で、気温が高い(最高気温15度以上)
  • 風が強い日(風が強いほうが遠くへ花粉が飛びやすくなります)
  • 湿度40~50%以下で空気が乾燥している日(冬の日中はほとんどが空気が乾燥しています)
  • 雨が降った翌日に「晴れ」「湿度低い」「気温が高い」などの条件が揃うと、飛散する花粉量がかなり多くなります。

なお、雨が降っているときは、雨によって空気中に浮遊する花粉が落とされますので、飛散量が劇的に少なくなります。花粉症が強い人は雨の日がチャンスといえます。

花粉は空気中にどれくらい含まれている?

花粉シーズンのピーク時は、1平方cmあたり約1000個以上の花粉が含まれているといいます。1平方メートル(m)ではなく、1平方センチメートル(cm)です。かなり多いですね。

年間を通して花粉量が多くなる条件とは?

スギ花粉やヒノキ花粉の飛散量は、前年の夏の気象条件によって大きな違いがあります。通常は夏の気温が高く、晴天日が多いほど、翌年の花粉量が多くなります。

反対に冷夏の次の年の花粉量は、かなり少なくなります。例年の2分の1くらいの花粉量になることも珍しくないです。

花粉症を抑えるには?

花粉症を抑えるには、抗ヒスタミン薬(抗アレルギー剤)、免疫療法、鼻粘膜を削るレーザー治療などがありますが、やはり最も手軽で安全性が高いのは抗ヒスタミン薬です。

アレジオンの画像 病院では、フェキソフェナジン(製品名:アレグラなど)、エピナスチン(製品名:アレジオン)などの眠気の副作用が起きにくいお薬が処方されます。保険適用です。

なお、アレグラのほうが眠気の副作用が少ないので、それを第一選択肢として処方されることが多いです。

また、それらの製品は市販薬でも購入できます。製品名ではアレグラやアレジオンなどがあり、医療用と同じ成分量なので効果は同じです。

そして、抗ヒスタミン薬を使用する場合のポイントは、花粉が飛び始める1~2週間くらい前から飲み始めることです。症状が起こる前にヒスタミンの働きをコントロールすることで、免疫反応が進行して症状が悪化する現象を予防することができます。