毛穴がつながる「帯状毛穴」の原因と解消方法

帯状毛穴 帯状毛穴とは、毛穴と毛穴がつながって小じわのように見えてしまう状態のことです。

帯状毛穴は特に額、眉間、頬あたりにできやすく、肌老化が始まる30代から発生しやすい現象です。

肌老化のほかに、皮脂量や肌質などが要因となって発生します。

今回はその帯状毛穴の原因と解消法について。

帯状毛穴の原因は?

皮膚コラーゲンの減少

老化現象 肌のハリや弾力をもたらすコラーゲンは年齢とともに減少・変性していきます。

コラーゲンが減少するとシワ・たるみが現れるようになり、毛穴のたるみ、毛穴の開きなども引き起こしてしまいます。

そして、一つ一つの毛穴が大きく開くと、毛穴どうしがつながって帯状毛穴をまねくこともあります。

コラーゲンが減少する要因は加齢のほかに、紫外線、ストレス、喫煙(たばこ)などがあげられます。

皮脂の増加によって毛穴が開いて帯状毛穴になる

毛穴が開く仕組み 毛穴が開いて帯状毛穴となってしまう原因の一つが皮脂の増加です。

皮脂が増加すると、当然、皮脂中に含まれる遊離脂肪酸も増加します。

遊離脂肪酸とは、グリセリンとの結合がない脂肪酸で、アクネ菌などの常在菌が皮脂を分解することで産生されます。

遊離脂肪酸は肌を健康的な弱酸性に導く働きがある一方で、多すぎると皮膚に対して刺激性が増し、炎症を誘発するようになります。

それによってターンオーバー(角化)が乱れて毛穴周辺の皮膚が厚ぼったくなります。その結果、毛穴が漏斗状に変形して大きく開いたように見えてしまうのです。

その開いた毛穴が肌老化によるコラーゲン減少と重なると、毛穴と毛穴がつながって帯状毛穴を発生させてしまいます。

なお皮脂中にはオレイン酸、パルミトレイン酸、パルミチン酸などの遊離脂肪酸が多く含まれますが、特にオレイン酸やパルミトレイン酸などの不飽和脂肪酸が皮膚に対して刺激性が高いとされます。

肌の乾燥(水分不足)によって生じる小じわ

頬の開いた毛穴 毛穴が目立つ人のほとんどは肌水分量が不足しているといわれています。

肌が乾燥するとしわや小じわができやすくなりますが、毛穴も開きやすくなり、その毛穴がつながることで帯状毛穴となってしまいます。

特に頬(ほほ)は角質層が薄くて乾燥しやすいため、毛穴が目立ちやすいといえます。

帯状毛穴は根気よく保湿スキンケアを続けることで大きく改善してくることも多いです。

ニキビの瘢痕化によって帯状毛穴が目立つ

ニキビの炎症が悪化して皮膚が強いダメージを受けると、皮膚が萎縮して瘢痕化してしまうことがあります。

そしてニキビ痕がクレーター状に凹んだ状態になることがありますが、この皮膚の凹みが帯状毛穴を目立つようにしてしまうことがあります。

帯状毛穴の予防と解消方法

洗顔後はしっかりと保湿

保湿 帯状毛穴が目立つ人のほとんどは水分不足だといわれています。

毛穴を目立たなくさせるためには、肌に十分な水分を補うことが重要です。洗顔後は化粧水、美容液などでしっかりと保湿しましょう。

また、洗顔時はあまり脱脂力が強くない洗顔料を選びましょう。皮脂が少ない場合は水洗い洗顔を増やしてみましょう。

化粧水パック(ローションパック)

ローションパック コットンなどに化粧水を含ませて時間をかけて集中保湿すると、劇的に水分量が高くなりプルプルの肌が実感できます。

この方法を毎日のスキンケアに取り入れると、しだいに肌にハリがでてきて帯状毛穴が目立たなくなっていきます。肌は寝ている時に活発に作られるため、就寝前のローションパックが有効です。

ビタミンCはコラーゲン増生に不可欠

ニキビとビタミンC誘導体 帯状毛穴の原因はコラーゲンの低下が一つの要因とされますが、コラーゲンを増加させる働きがある成分の一つがビタミンCです。

ビタミンCは補酵素としてコラーゲンの合成を活発にすることがわかっています。

ビタミンCは、主にキャベツやほうれんそうなどの野菜類や、イチゴやみかんなどの果物類に多く含まれています。また、サプリメントを利用しても良いと思います。ビタミンCの1日の必要量は100mgです。

ビタミンCを多く含む野菜(可食部100g中)

キャベツ:46mg、ほうれん草:56mg、モロヘイヤ:62mg、パセリ:113mg、ピーマン:66mg、こまつな:32mg、ブロッコリー:120mg、トマト:19mg、かぶ(葉):83mg

ビタミンCを多く含む果物(可食部100g中)

イチゴ:71mg、オレンジ:65mg、みかん:35mg、グレープフルーツ:43mg、キウイフルーツ:84mg、レモン:45mg、パインアップル:26mg、柿(かき):69mg、パパイア:49mg

毎日の紫外線対策を欠かさない

紫外線によるにきび 紫外線は帯状毛穴のような肌老化を引き起こす大きな要因の一つです。

紫外線は真皮層コラーゲンの変性を促してハリや弾力を奪い、シワ・たるみを進行させます。

また、皮脂を酸化させて皮膚に刺激を与え、ターンオーバーを乱し、毛穴の開きを悪化させます。

さらに、シミ、色素沈着の原因にもなり、毛穴が黒ずんでくることがあります。一説によると肌老化の8割が紫外線の影響といわれています。(光老化)

紫外線は日常的な生活においても十分に浴びていることが多く、紫外線の影響は蓄積されていくといわれています。

そのため、日ごろからUVケアを怠らないようにしまよう。日焼け止めは普段はSPF10~15くらい、長時間屋外に出るときにはSPF20~30くらいをやや厚めに塗るのが理想です。

なお、紫外線ブロック効果をうたっていないパウダーファンデーションでもSPF5~10くらいはあるといわれています。

その理由は、パウダーには顔料として紫外線散乱剤(酸化亜鉛、酸化チタン、タルクなど)が含まれているためです。

グリシルグリシンが毛穴の開きを縮小する

グリシルグリシンの粉末 毛穴の開きによる帯状毛穴を予防する成分の一つにグリシルグリシンがあります。

グリシルグリシンとは、グリシンという保湿作用をもつアミノ酸が2つつながった水溶性成分です。

グリシルグリシンは炎症性サイトカインを抑制し、皮膚内のグリシン受容体に作用してイオンバランスを整え、ターンオーバーを正常化する働きがあります。

それによって毛穴周辺のターンオーバーが改善されて角質肥厚が正常化し、毛穴の開きが解消されて帯状毛穴も改善します。

グリシルグリシンは、相性が悪い成分がほとんどないため、原料粉末を一般的な化粧水に混ぜて使用することもできます。

シンプルな化粧水であれば基本的に混ぜて使っても問題ありません)。配合濃度は2~3%が目安です。

なお、グリシルグリシンは、美容クリニックやエステサロンなどでイオン導入の有効成分として毛穴治療によく用いられます。分子量が小さい水溶性成分なのでイオン導入にも適しています。