トマトに含まれる「リコピン」がニキビ跡の色素沈着に効く理由

トマト トマトは、南アメリカ・ペルー原産のナス科の植物です。程よい甘さと豊富な栄養素を含み、料理や野菜ジュース(トマトジュース)などとして多用される食材です。

「トマトが赤くなると医者が青くなる」ということわざがあるくらいに健康効果が高い食材の一つで、美容効果が高い食品としても注目されています。トマトは美肌効果も高い食品で、ニキビ・吹き出物などの肌トラブルの改善が期待できます。

トマトの栄養成分(100gあたり)

エネルギー(カロリー):19kcal
炭水化物:4.7g
たんぱく質:0.7g
脂質:0.1g
ベータカロテン:449μg(ビタミンA換算で42μg)
リコピン:3.0mg
ビタミンB1:0.05mg
ビタミンB2:0.02mg
ビタミンB6:0.1mg
ビタミンB12:0μg
ナイアシン:0.92mg
パントテン酸:0.08mg
葉酸:15μg
ビオチン:2.6μg
ビタミンC:13.7mg
ビタミンD:0μg
ビタミンE:0.54mg
ビタミンK:7.9μg
カルシウム:10mg
リン:24mg
マグネシウム:11mg
カリウム:237mg
ナトリウム:3.2mg
鉄:0.27mg
亜鉛:0.17mg
銅:0.05mg
食物繊維:1.0g

トマトに含まれるβカロテンの美容効果

トマトは100gあたり、449μgのβカロテン(ベータカロテン)を含みます。ベータカロテンとは、主に緑黄色野菜に多く含まれるオレンジ色をした脂溶性成分です。ベータカロテンは、プロビタミンA(ビタミンAの前駆物質)として働き、体内で必要な量だけビタミンAに作り換えられ、ビタミンAに変換されなかったβカロテンはそのまま抗酸化物質として働きます。

ベータカロテンの効果・効能

  • 抗酸化作用を有し、身体や細胞の老化を防止する。
  • 十分に摂取することでシミ、色素沈着の予防につながる。
  • βカロテンを十分に摂取していると、紫外線やにきびなどによる色素沈着を予防できることがわかっています。
  • 皮脂分泌をコントロールする。
  • 脂溶性であるため、油を含んだ料理とともに摂取すると吸収がよくなります。

βカロテンのビタミンAとしての効果

βカロテンは体内でビタミンAに変換されますが、ビタミンAは以下のような働きがあります。

  • 身体の発育、成長を促進する。
  • 皮膚や粘膜を正常に保つ。粘膜の癌を抑制する。
  • 目の健康を保つ。光の明暗を感じるロドプシンの主成分。
  • 免疫機能を保持する。
  • 生殖機能を維持する。

ビタミンAの1日の所要量(可食部100gあたり)

成人男性:600μg、成人女性:540μg、妊婦:600μg、授乳婦:840μg、上限摂取量:1500μg。

トマトに含まれるリコピンの美容効果

トマトは、リコピンという成分を豊富に含みます。リコピンとは、カロテンの一種で強い抗酸化作用をもつ美容効果の高い脂溶性物質です。

リコピンの効果

  • リコピンは優れた抗酸化作用をもち、紫外線やストレスなどで発生した活性酸素を消去する。
  • リコピンの抗酸化作用はβカロテンの約2倍、ビタミンEの約100倍ある。
  • 身体や細胞の酸化・劣化を予防する。
  • 紫外線や皮膚炎などによるメラニン色素の生成を抑制し、しみ・色素沈着を予防・改善する。
  • 抗酸化作用があるビタミンCやビタミンEと相乗効果を示す。

リコピンを多く含む食品・食材(可食部100gあたり)

トマト:3.0mg
ミニトマト:8.1mg
スイカ:3.2mg
ピンクグレープフルーツ:3.2mg

トマトを食べるとニキビができにくくなる?

キレイな肌 トマトには、美肌効果があるとされますが、それは主にトマトに含まれるβカロテンやリコピンの効果によるものと考えられます。それらは活性酸素を消去する働きがある脂溶性物質で、脂質の酸化を予防してくれる働きがあります。そして皮脂の酸化の予防にもつながると考えられます。

例えば、ストレスなどによって酸化ストレスを受けている人の皮脂は、通常よりも酸化が進行している傾向があることがわかっていますが、βカロテンやリコピンは、ビタミンEなどの脂溶性抗酸化成分とともに皮脂酸化の進行を予防してニキビを阻止する働きがあると考えられます。

皮脂の酸化が進行すると、皮膚や毛穴壁に刺激を与えて角化異常(ターンオーバー異常)を引き起こし、角質が過剰産生されることがわかっています。角質がたくさん作られることでニキビの芯(角栓)が発生しやすくなり、また、毛穴が塞がれやすくなってニキビ・吹き出物が発生するようになります。

皮脂の成分は、トリグリセリド(中性脂肪)、遊離脂肪酸(飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸)、スクワレン、コレステロール、ワックスエステルなどで構成されますが、抗酸化物質はこれらの脂質の酸化を抑制する働きがあります。特に酸化されやすいのはスクワレンや不飽和脂肪酸で、皮膚に刺激を与えて角化異常を引き起こす原因とされます。

トマトはニキビによる色素沈着を予防する

ニキビ跡の炎症後色素沈着 トマトに含まれるβカロテンやリコピンには、ニキビによって発生する色素沈着(しみ)の予防効果が期待できます。これは、βカロテンやリコピンが血液中に存在することでニキビによって発生する活性酸素が抑えられ、それによって肌ダメージも抑えられるためと考えられます。活性酸素が抑えられることでメラノサイト(色素細胞)の活動も抑制され、メラニン色素の合成も抑えられます。

実際に、βカロテンやリコピンの摂取量を増やすと肌の透明感が増し、シミが薄くなることが明らかになっています。ほかにも、ビタミンB2やビタミンB6、ナイアシンなどのビタミンB群やビタミンCなどが十分に存在していると、ニキビ跡の炎症後色素沈着が予防できることがわかっています。